七島表はカヤツリグサ科に属する多年生草本、「七島い」を原料として作った表で、「七島い」は「琉球い」 「三角い」「豊後い」とも言われ、普通のい草の断面が丸いのに対し三角形の断面を持ち、これを半分に裂いて乾燥させ、選別した上で麻糸を経糸に織上げます。この七島いはもともと 琉球(沖縄)で栽培されていたものが、鹿児島の南部から 大分に渡ってきたものです、そのときの名残で(琉球)から渡って来た七島いを用いた畳を琉球畳と呼びます。 七島とは、鹿児島県のトカラ列島(十島村)のことですが、元来生産地は沖縄です。その後トカラ列島でも七島表は、作られるようになり、現在は大分県、鹿児島県でも作られています。 七島いの栽培面積は戦後その高い収益性により、昭和33年には1516haまで増加しましたが、その後労働力を 多く要することもあり漸次減少の方向をたどっており、今では国東半島一帯においてのみ栽培され、希少価値的作目と なっています。 栽培法の改善等により1960年代半ばまでは500?600kg/aであった収量が現在では1200kg/a以上得られるようになっており、 その高い収益性から経営的にも決して悪い作目ではありません。 このため、今後とも大分県における貴重な栽培作物の一つとして残していく必要があるものと考えています。
耐久力があり火気に強いため、昔から柔道畳や農家作業場、呉服屋の畳に縁をつけずに使われていました。現在ではデザイン的に半畳のへりなし畳に使われることが多くなっています。普通のイ草と違い泥染めをせずに乾燥した上で織られ、見た目も普通のイ草とはかなり異なります。
「ビーグ」という言葉の由来は沖縄で 「備後」が変化して呼ばれるようになったものと推測されています。もともとは沖縄地方では現在縁無し畳によく使われる「琉球表(青表)」の原材料となる七島藺が栽培されていましたが、幕末の頃本土から導入されたこの太い草が栽培され始めたといいます。ちなみに現在のビーグの苗は昭和47年に福岡から持ち帰られたものだといわれています。 沖縄県のビーグ(い草)産地は、具志川市と与那城町に またがる波照間地区となっています。 約60戸余りの農家が約23ヘクタールの田んぼで栽培しており、 県内の約80%の生産を誇っています。
通常のい草の数倍の太さを持つ特殊ない草(太藺)。その表皮は固く丈夫で擦り切れなどの心配が少な い。その生産量の少なさから比較的高価。太く、弾力性に富み、吸湿性も良く、光沢も優れ細いイグサより遙かに強度的にも優れており茎が太く、香りも強い。
い草は、湿地に自生する多年生植物である。 現在は熊本、福岡、高知、岡山などで栽培されている。 七島い(三角い)と区別して「丸い」と呼ばれている。 植付けは12月真冬、刈り取りは7月の真夏。そして染土 という特殊な粘土質の泥の中につけて染め、乾燥し選別したものが畳表の原料となる。 1枚の畳表を織るのには、およそ4,000本のい草が使われ、その質、長さ、色調が畳表の品質を決める重要な要素 となっている。